○東秩父村自治基本条例

平成31年4月1日

条例第1号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 理念及び原則(第4条・第5条)

第3章 各主体の権利、役割及び責務

第1節 村民(第6条・第7条)

第2節 村民活動団体(第8条)

第3節 行政区(第9条・第10条)

第4節 事業者(第11条)

第5節 議会(第12条―第14条)

第6節 村の執行機関(第15条―第17条)

第4章 村政運営(第18条―第28条)

第5章 参加と協働(第29条・第30条)

第6章 住民投票(第31条)

第7章 条例の改正(第32条)

附則

(前文)

東秩父村は、中央に清らかな槻川が流れ、四季折々の花に囲まれた豊かな自然に恵まれた村です。

また、先人たちが培ってきた産業である手漉き和紙を代表に様々な文化があります。

私たちは、このことを誇りに持ち、それらを財産とし、未来を担う子どもたちが「東秩父村が大好き」、「東秩父村に住んでよかった」と思える故郷を築き、次の世代に引き継いでいくことが求められます。

そのため、思いやりのある社会、そしてみんなが幸せに暮らせる地域を創造し、村民主体の地域づくりを進めるとともに、希望のある地方自治を、村民・議会・行政の協働により推進していかなければなりません。

これらを実現するため、私たちは日本国憲法に掲げる地方自治の本旨に基づき、自治の理念と普遍の原則を定めた、東秩父村自治基本条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、本村の自治の基本原則並びに自治に関わる村民、議会及び村の執行機関の役割や責任を明らかにするとともに、村政運営の基本的事項を定めることにより、村民主体のむらづくりを協働して推進し、自治の発展をめざすことを目的とします。

(条例の位置付け)

第2条 この条例は、自治に関する最高規範であり、村民、議会及び村の執行機関は、誠実にこれを遵守します。

2 議会及び村の執行機関は、この条例以外の条例、規則等を制定、改廃する場合には、同条例の趣旨を尊重し、この条例に定める事項との整合を図ります。

3 議会及び村の執行機関は、基本構想等の計画の策定、政策の立案及び実施に当たっては、この条例の趣旨を尊重し、同条例に定める事項との整合を図ります。

(用語の定義)

第3条 この条例において、使用する用語の意義は、次のとおりとします。

(1) 村民 住民のほか、村内で働く人、学ぶ人、活動する人又は団体

(2) 住民 本村の区域内に住所を有する人(定住外国人を含む。)

(3) 村民活動団体 ボランティア団体等、自主的に公益活動を行う組織

(4) 行政区 東秩父村行政区設置規則(昭和41年規則第5号)第1条の地域に住む人の地域自治組織

(5) 事業者 村内で事業活動を行う者

(6) 議会 村の議会

(7) 村の執行機関 村長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価委員会

(8) むらづくり 地域が抱えている課題を解決し、互いに暮らしやすい地域社会を実現するための取組

(9) 自治 自分たちのことは、自分たちの意思と責任に基づき決定し、互いを認め合い、助け合いながらむらづくりを行うこと。

(10) 参加 むらづくりの企画、立案、実施及び評価の各段階において、関わること。

第2章 理念及び原則

(村民憲章)

第4条 村民一人一人の想いを象徴するものとして、次の憲章を定めます。

東秩父村民憲章(昭和56年)

みどりの山なみと清らかな槻川の流れ、そこにひらけた東秩父はわたしたちの村です。

住みよいしあわせな村にいたしましょう。

一 清潔な村をつくりましょう

美しい水の流れのように

一 福祉の村をつくりましょう

暖かくやさしい光のように

一 勤勉な村をつくりましょう

実り豊かな大地のように

一 文化の村をつくりましょう

咲きかおる花のように

一 平和な村をつくりましょう

明るく広い青空のように

(基本原則)

第5条 村民、議会及び村の執行機関は、次に掲げる自治に関する基本原則に基づき、むらづくりを進めます。

(1) 自治の主体は村民であり、自治の主権は村民にあります。

(2) 村民の積極的な参加によるむらづくりを推進します。

(3) 協働によるむらづくりを推進します。

(4) 村民、議会及び村の執行機関は、互いに情報を共有し、むらづくりを進めます。

第3章 各主体の権利、役割及び責務

第1節 村民

(村民の権利)

第6条 村民は、むらづくりに参加する権利を有します。

2 村民は、むらづくりに関する情報を知る権利を有します。

(村民の役割)

第7条 村民は、互いに暮らしやすい地域社会を実現するよう努めるものとします。

2 村民は、むらづくりに参加するに当たっては、自らの発言と行動に責任を持つものとします。

第2節 村民活動団体

(村民活動団体の役割)

第8条 村民活動団体は、地域社会の担い手であることを自覚し、それぞれの特性を生かしながらむらづくりの推進に努めます。

第3節 行政区

(行政区等の役割)

第9条 行政区は、対象地域における共通課題の解決を図り、住みやすい環境を目指します。

2 行政区は、むらづくりを推進するため、対象地域に住む人等の意見の把握と集約に努めます。

3 行政区は、対象地域に住む人等の参加の機会を確保するとともに、参加、協力に必要な環境づくりに努めます。

4 行政区長は、行政区の代表者として、同条第1項の目的の達成に努めます。

(行政区への協力)

第10条 本村に住む人は、前条第1項の目的を達成するため、行政区に協力するよう努めます。

第4節 事業者

(事業者の役割)

第11条 事業者は、社会的責任を自覚し、地域社会の一員としてむらづくりに寄与するものとします。

第5節 議会

(議会の責務)

第12条 議会は、村民を代表する意思決定機関として、村政を監視及び評価し、適切な村政運営を確保することとします。

2 議会は、自治の発展のため、村民の意思を的確に把握し、政策の積極的な立案及び提言に努めることとします。

3 議会は、村民に積極的に情報公開し、村民参加による開かれた議会運営を行うこととします。

(議会議員の責務)

第13条 議会議員は、議会の責務を自覚し、政治倫理の確立に努め、その職務を公正、かつ、誠実に遂行することとします。

(議会事務局の職員の責務)

第14条 議会事務局の職員は、職務の遂行に必要な知識と能力の向上に努め、誠実、かつ、効率的に議会の活動を補佐することとします。

第6節 村の執行機関

(村の執行機関の責務)

第15条 村の執行機関は、村民の福祉の向上を図るため、その事務を自らの判断と責任において誠実に執行することとします。

(村長の責務)

第16条 村長は、村政の代表として、公正、かつ、誠実な村政運営を行うとともに、村民の意向を的確に把握し、総合的、かつ、効果的なむらづくりの推進に努めることとします。

2 村長は、自らの考えを村民に明らかにするとともに、リーダーシップを最大限に発揮してむらづくりに取り組むこととします。

3 村長は、村の執行機関の職員を適切に指揮監督し、人材を育成するとともに、効率的な組織運営に努めることとします。

(村の執行機関の職員の責務)

第17条 村の執行機関の職員は、全体の奉仕者として、村民のためにこの条例を遵守し、公正、かつ、誠実に職務を遂行することとします。

2 村の執行機関の職員は、職務の遂行に必要な知識と能力の向上に努め、村民に質の高い行政サービスの提供を図り、村民の信頼を得るよう努めることとします。

3 村の執行機関の職員は、村民であることを自覚し、むらづくりに自主的、かつ、積極的に参加することとします。

第4章 村政運営

(村長の公約)

第18条 村長は、選挙時の公約を総合振興計画に反映させます。

(総合振興計画)

第19条 村長は、総合的、かつ、計画的な行政運営を図るため、総合振興計画を策定します。

2 村長は、総合振興計画の策定に当たっては、あらかじめ計画に関する情報を村民に提供し、村民の意見を反映させます。

3 村長は、総合振興計画の基本構想を決定する場合は、議会の議決を得ることとします。

4 村長は、社会経済情勢の変化に的確、かつ、迅速に対応するため、必要に応じて総合振興計画を見直します。

(財政運営)

第20条 村長は、総合振興計画に基づく予算の編成及び執行を行い、最少の経費で最大の効果をあげるよう、健全な財政運営に努めます。

2 議会及び村の執行機関は、予算及び決算その他村の財政に関する情報を村民に分かりやすく公表します。

(行政評価)

第21条 村の執行機関は、効率的、かつ、効果的な村政運営を推進するため、村民参加による行政評価を実施し、その結果を村民に公表するとともに、施策等に反映します。

(審議会等)

第22条 村の執行機関は、法令等の規定により設置する審議会及び附属機関等の委員を選任する場合は、識見を有する者を選任するほか、公募等により村民の幅広い層から必要な人材を選任するよう努めることとします。

2 村の執行機関は、審議会等の委員構成について、その審議会等の設置目的に応じて男女の比率、他の審議会等との重複を十分考慮の上、多様な人材を登用します。

3 村の執行機関は、審議会等の会議に村民が参加しやすいよう、時間、場所その他開催方法等に配慮します。

4 村の執行機関は、審議会等の会議を原則として公開します。ただし、村長が公開することが適当でないと認める場合は、非公開とすることができます。

(情報公開及び説明責任)

第23条 議会及び村の執行機関は、開かれた村政運営を行うため、村政に関する情報が村民との共有財産であることを認識するとともに、施策の企画、立案、実施及び評価の各段階において適切に情報公開及び情報提供を行い、村民に分かりやすく説明します。

(応答責任)

第24条 議会及び村の執行機関は、村民からの意見、要望等に対して迅速、かつ、誠実に応答します。

(個人情報保護)

第25条 議会及び村の執行機関は、個人の権利及び利益が不当に侵害されることがないよう、適正に個人情報を取り扱います。

(公聴手続)

第26条 村の執行機関は、村政に係る重要な施策を実施しようとするときは、事前にその案を公表し、村民が意見を述べる機会を設けます。

2 村の執行機関は、前項の規定により提出された意見について、採否の結果及びその理由を公表します。

(行政手続)

第27条 村の執行機関は、村民の権利及び利益の保護を図るため、処分、指導、届出等の手続に関する事項を明らかにし、透明で公正な行政手続を確保します。

(他の自治体との連携)

第28条 議会及び村の執行機関は、むらづくりを行う上での共通する課題の解決、事業の効率化、行政サービスの向上等をめざし、他の地方自治体との相互協力、連携に努めます。

第5章 参加と協働

(参加と協働の推進)

第29条 村の執行機関は、村民の意見が村政へ適切に反映されるよう、村政への村民参加を推進します。

2 村民、議会及び村の執行機関は、それぞれの役割と責任に基づき、相互に補完し、協力して行動する協働のむらづくりを推進します。

3 議会及び村の執行機関は、協働のむらづくりを推進するため、必要な施策を講じます。

4 村の執行機関は、協働のむらづくりの推進に当たっては、村民の自主性及び自立性を尊重し、その活動を支援します。

(むらづくりにおける連携)

第30条 村民活動団体と行政区は、調整を図り、連携してむらづくりを推進します。

2 村の執行機関は、村民活動団体又は行政区からの要請に基づき、調整会議の開催等連携のために必要な支援を行います。

3 村民活動団体及び行政区は、議会及び村の執行機関へむらづくりに関する意見を述べることができます。

4 村長は、事務事業の一部を村民活動団体及び行政区に委ねることができます。この場合において、村長は、その実施に係る経費等について必要な措置を講じるものとします。

第6章 住民投票

(住民投票)

第31条 村長は、村政に関わる重要な事項について、村民の意思を確認するため、住民投票を実施できるものとします。

2 村民、議会及び村長は、住民投票の結果を尊重するものとします。

3 村の執行機関は、住民投票の村長への実施請求及び実施に係る手続その他必要な事項について、別に条例を定めるものとします。

第7章 条例の改正

(条例の改正)

第32条 村長は、社会情勢等の変化により、この条例を改正するときは、村民の意見及び提案を適切に反映するよう努めるものとします。

この条例は、平成31年4月1日から施行する。

東秩父村自治基本条例

平成31年4月1日 条例第1号

(平成31年4月1日施行)

体系情報
第1類 規/第1章
沿革情報
平成31年4月1日 条例第1号