○東秩父村太陽光発電事業実施の手続等に関する要綱
平成30年9月21日
告示第69号
(目的)
第1条 この要綱は、地域の環境や景観に影響を与える可能性の高い一定規模以上の太陽光発電設備による事業の実施について、事業者が行う届出等に関し必要な事項を定め、当該事業について地域の環境及び住民意識を調和させた適正な実施を誘導することを目的とする。
(1) 発電設備 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成23年法律第108号)第2条第3項に規定する設備をいう。ただし、建築物等に設置するもの物を除く。
(2) 事業 次に掲げる行為をいう。
ア 発電設備の設置
イ アに掲げる設備による発電
ウ アに掲げる設備の廃止
(3) 事業者 事業を行う者及び発電設備の権利を有する者をいう。
(4) 出力 太陽光パネルの合計出力とパワーコンディショナーの出力のいずれか小さい方の値をいう。
(5) 利害関係者 発電設備を設置する土地の周辺に居住する者及び土地又は建築物を所有する者並びに生活環境面の影響が考えられる者をいう。
(6) 設置工事 第2号アに掲げる行為に係る工事をいう。
(適用区域)
第3条 この要綱の適用区域は、村内全域とする。
(適用を受ける事業)
第4条 この要綱の規定は、定格出力が50kW以上の太陽光発電事業に適用する。
2 同一の事業者が複数の発電設備を近接して設置する等、実質的に一つの場所への設置と認められる場合は、これらを一つの事業とみなして前項の規定を適用する。
(事業の周知等)
第5条 事業者は、第2条第2号アに掲げる行為をしようとするときは、それを計画する初期段階で利害関係者に対して回覧や戸別訪問等により、事業の計画や設置工事の施工方等事業内容を周知するとともに、事業に対する意見の把握に努めるものとする。
2 前項の周知の対象範囲は、村と協議し決定するものとする。
3 事業者は、必要に応じて設置工事に係る進捗状況について利害関係者に報告するものとする。
(説明会等の実施)
第6条 事業者は、第2条第2号アに掲げる行為をしようとするときは、その計画の概要が明らかとなった時点で、利害関係者を対象とした説明会を開催し、又は利害関係者の要望に基づく協議を行い、利害関係者の理解を得るように努めるものとする。
2 事業者は、前項の説明会又は協議において出された質疑・意見に適切に対応するものとする。
(協定書の締結)
第7条 事業者は、必要に応じて利害関係者との間で協定書を締結する等の措置に努めるものとする。
(事業計画の提出)
第8条 事業者は、設置工事に着手する60日前までに、事業計画書(様式第2号)に次に掲げる書類を添えて村長に提出するものとする。
(1) 位置図
(2) 土地利用計画図(設備配置図、雨水排水計画図)
(3) 立面図
(4) 工事工程表
(5) 事業実施予定箇所の現況写真
(6) 設備等の仕様書
(7) 土地造成工事計画図
(8) その他村長が必要と認める書類
(設置工事の取りやめ)
第11条 事業者は、設置工事を取りやめようとするときは、設置工事取りやめ届出書(様式第4号)を村長に提出するものとする。
(設置工事の完了)
第12条 事業者は、設置工事が完了したときは、設置工事完了報告書(様式第5号)を村長に提出するものとする。
2 村長は、前項に規定する報告書の提出を受けたときは、現地確認を行うものとする。
(配慮すべき事項)
第14条 事業者は、別表に記載された事項に配慮しながら事業を行うこととする。
附則
(施行期日)
1 この要綱は、公布の日から施行する。
(適用区分)
2 この要綱は、この公布の日以後において設置工事に着手する事業について適用する。
附則(令和4年3月7日告示第8号)
この告示は、令和4年4月1日から施行する。
別表(第14条関係)
配慮すべき事項 | 具体的内容 |
1 住民への周知等 | ア 工事や発電設備の概要、事業者連絡先等を記したお知らせ看板を発電設備の設置工事に着手する前から工事完了日まで、敷地内の見やすい場所に設置すること。 イ 事業計画の初期段階で利害関係者に対して回覧や戸別訪問等により、事業計画や工事施工方法等事業内容を周知するとともに、発電事業に対する意見の把握に努めること。 ウ 発電事業に関する苦情が寄せられた場合は、誠意をもって速やかに対応すること。 エ 利害関係者を対象とした説明会を開催し、又は利害関係者の要望に基づく協議を行い、利害関係者の理解を得るように努めること。 オ 必要に応じて利害関係者との間で協定書を締結する等の措置に努めること。 |
2 災害の防止 | ア 土地の造成工事は必要最小限にとどめること。 イ 河川・水路の管理者と協議し、河川等に通じる雨水排水路を確保するか、雨水を敷地内で処理できる対策(調整池、地下浸透施設等の設置)をとること。 ウ 土砂の流出を防止する対策(溝、土留等の設置)をとること。 エ 急傾斜地への設置は災害防止の観点から避けること。 |
3 自然環境の保全 | ア 立木の伐採は、自然環境に配慮し、必要最小限にとどめ、既存樹木を活かすようにすること。 イ 希少動植物の保護や生態系の維持に配慮した設備の設置、工事の実施に心掛けること。 |
4 景観への配慮 | ア 最上部をできるだけ低くし、周囲の景観から突出しないよう配慮すること。 イ 発電設備の色彩は、黒色や濃紺等の周辺の景観と調和する低明度かつ低彩度のものを使用すること。 ウ 太陽光パネルは低反射で目地や模様が目立たないようなものを使用すること。 エ 使用する色数を少なくするよう努めること。 オ 付帯設備(フェンス、掲示板等)は同系色のものを使用すること。 カ 隣地境界の立木は極力残し、伐採する場合は隣地境界周辺に植栽を行い、発電設備を外部から直接見えにくくすること。 キ 尾根線、稜線への発電設備の設置は避けること。 |
5 生活環境への対策 | ア 住宅地に近接する場所に発電設備を設置する場合は、圧迫感、騒音、熱や光の反射等に配慮し、敷地境界から後退させ、植栽を設けて遮へいする等の対策をとること。 イ 道路に接する場所に発電設備を設置する場合は、道路の見通しの妨げにならないよう道路境界から後退させ、植栽を設けて遮へいする等の対策をとること。 ウ 発電設備の敷地内に発電事業関係者以外の者が容易に立ち入ることがないようフェンスの設置等の安全対策をとること。 エ 周辺環境への影響を考慮し、除草剤、殺虫剤等の薬品は原則使用しないよう努めること。やむを得ず使用する場合は、薬剤が隣接地へ飛散しないような措置をとること。 オ 設置工事の際は、重機の使用、大型車等の通行に伴う砂や埃の飛散、水質汚濁、騒音の防止について対策をとること。 |
6 安全確保対策 | ア 発電設備の敷地内に発電事業関係者以外の者が容易に立ち入ることがないようフェンスの設置等の安全対策をとること。 イ 火災や土砂流出等が発生した場合又は、周辺に緊急事態が起こった場合に事業者に連絡ができるよう発電設備の名称、設置場所の住所、発電出力、事業者の名称、連絡先、その他必要な事項を記載した管理看板を敷地内の見やすいところに設置すること。 ウ 自然災害、事故、機器の故障等が発生した場合に速やかに対応できるよう緊急対応マニュアルの作成等の措置をとること。 エ 通学路の周辺に発電設備を設置する場合は、児童等の安全確保に十分配慮した対策をとること。 |
7 保守点検 | ア 発電設備の敷地内は、定期的に除草や清掃を行うこと。 イ 発電設備設置により周辺環境への影響が認められた場合は、改善のための措置を講ずること。 ウ 『太陽光発電システム保守点検ガイドライン【10kW以上の一般電気工作物】』(一般財団法人太陽光発電協会作成)を考慮した保守点検を実施すること。 |
8 非常時の対応 | ア 災害その他の事由により発電設備が破損した場合、事業者は被害の拡大防止に努め、速やかに復旧又は撤去を行うこと。 イ 豪雨の発生や台風の接近等に際しては、発電設備の敷地から土砂の流出等が発生していないか現地確認に努め、土砂が流出した場合は、速やかに土砂の撤去を行うこと。 |
9 発電設備の撤去・処分 | ア 発電設備を廃止する場合は、その場所に放置することなく速やかに撤去し、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)等の関係法令や『太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン』(環境省作成)に基づき、適切な処分を行うこと。 イ 発電設備を撤去した場合は、その跡地について、そのまま放置せずに適切な措置をとること。 ウ 事業計画の段階から発電設備の撤去・処分について検討し、事業計画に位置付けること。 |
※ガイドライン等については、継続的に内容の検討が行われており、適宜改訂等が行われるため、利用に際しては最新の情報を参照すること。